古墳群のある堺・藤井寺・羽曳野では、この世界遺産登録を機に、インバウンドを軸とした観光客の増加に期待しているそうな。
しかし果たしてそう上手くいくものだろうか。
たしかに仁徳・応神陵を中心とした古墳群の歴史的価値は、世界的にみても素晴らしいものなのだが、観光としてみるとはなはだ心許ない。
エジプトのピラミッドや中国の定陵、インドのタージマハールなどは内部の見学ができるので、陵墓の規模や装飾の内容をよく理解することができるのだが、百舌・古市古墳群では墳丘に登ることすら出来ないので、現地を訪ねてみても周囲を堀に囲まれた、こんもりとした丘を見るだけになってしまう。
もちろん古墳への立ち入りが出来ないのは、諸外国と異なり、日本の多くの古墳が日本の皇室の祭祀の対象となっているという事情があるのは分かる。
それでも日本人なら日本史を学んでいるので、古墳の存在も大きさも、なぜ立ち入りが出来ないのかも何とか理解できるだろうが、外国人がこれを理解するのはほぼ不可能だろう。
よほど見学に工夫を凝らさなければ、世界3大ガッカリ遺産と呼ばれるようになるのではないかと危惧している。
では、外国人でも手軽に古墳の規模が理解できる所はないのだろうか。
実は、ある。神戸にある五色塚古墳だ。
五色塚古墳
後円部と前方部 |
五色塚古墳は築造年代が4世紀末から5世紀初頭。
後円部の直径125m・墳丘の長さ194m・最大幅82mの規模を有する、兵庫県下最大の古墳である。
日本の古墳で初めて完全復元がなされたもので、樹木が生い茂る他の古墳とは異なり、築造当時の葺石、古墳上に並ぶ円筒埴輪の姿が復元されており、誰の目にも分かりやすい。
前方部から後円部を眺める |
墳丘に登れば古墳の大きさを実感できるだけでなく、眼下には明石海峡があり、行き交う船や明石海峡大橋を手に取るように眺めることが出来る。
墳丘から明石海峡大橋、淡路島を眺める |
古墳には無料の駐車場(9時~17時)があり、また山陽電鉄霞ヶ丘駅から徒歩10分でいけるなどアクセスが良い。
周辺には明石海峡大橋を見学できる舞子海上プロムナードや、孫文記念館と見どころも多いので、神戸や明石の観光のついでに立ち寄られることをおすすめする。
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