セミリタイア界では「家賃1万円暮らし」が当たり前。だが死角はないのだろうか。
家賃1万円で暮らすセミリタイアの記事を初めてみたのは「人生よよよ」さんのブログ。
なんでもセミリタイアの聖地杵築市では家賃1万円台のアパートがゴロゴロしているというのだ。
その状況はいまでも変わっていないのか、さっそく杵築市の賃貸情報を検索してみる。
すると出るわ出るわ、1万円台のアパートが続々出て来る。最安9千円なんてのもある。
これなら家賃1万円暮らしも簡単だ。
そもそも杵築市の家賃が暴落した原因は、市が40年前に国の「テクノポリス構想」に指定されたことに端を発する。
これによりキャノンの工場が進出し、多くの従業員が雇用されて、市の人口は急増。
だが、2008年のリーマンショックでキャノンは撤退。従業員は去り、需給バランスが崩れた杵築市のアパート家賃は暴落した。
キャノン需要に沸いた2000年頃は4万円程度だった家賃相場も暴落に次ぐ暴落で、最安時には家賃、管理費を合わせて5000円を切ったアパートも出たという。
そして今でも新たな入居者は現われず、状態が良好な築10~20年のアパート家賃はいまだに投げ売り状態なのだ。
そもそも家賃1万円なんて経済合理性からいってもあり得ない。
オーナーさんの苦悩がしのばれる。
現在あるアパートはおそらくオーナーが所有する土地に事業用ローンを組んで建設されたものだろう。
1棟10戸のワンルームアパートだと建築費は5千万円ぐらいだろうから、ローン金利2%だと金利だけで100万円。フル入居でも1万円の家賃では金利と固定資産税が賄えるかどうか。
完全にオーナーの持ち出しだ。
アパートの耐用年数は4~50年ほど。あと3~40年経てば杵築の1万円アパートは消えていく。
現在杵築市に住む30~40歳の若いセミリタイア生活者は、70~80歳になる頃に退去を迫られることになる。
現在杵築市に住む30~40歳の若いセミリタイア生活者は、70~80歳になる頃に退去を迫られることになる。
人生の終局にホームレスになるリスクだけは心しておくべきだ。
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