2019年4月15日月曜日

大手住宅メーカーの法令違反とその影響

前回、レオパレスの施工不良問題について書いたが、今度は住宅メーカー大手のダイワハウスでも施工不良問題が発覚。しかしニュースをよく見ると状況が異なる。

何を信じれば良いのやら・・
(イメージ)

前回書いたレオパレスの不良問題では、集合住宅で隣室を隔てる界壁が無いことが問題になった。

界壁が無いのは重大な問題。隣室の音もれも酷いし、火事の場合は容易に類焼するからだ。

施工不良問題について考える


今回の問題点

では、今回のダイワハウスの問題だが、内容をざっくり見ると。

1.バルコニーの受け柱を申請と違う形状に変更した。
2.基礎の形状が申請のものと異なった。

バルコニーの受け柱については、受け柱形式にすると外観上の見栄えが悪いので、誰か上役の指示で急遽設計変更がなされたと考えられるが、変更の申請を怠ったのだ。

上記の変更を行うとその建物は型式認定から外れる。

そうなると手続き的には建築確認申請を行わなければならないのだが、確認申請を個別にすると費用と時間がかかり、確実に工期が遅れるので、それを避けたのだ。

会社の説明では、設計者が知らずにやってしまったと過失を主張しているが、型式認定・確認申請に関する手続きを設計者である一級建築士が知らない訳がない。

もし、知らないのなら、そんな一級建築士を使っている会社の方が問題だ。

戸建住宅・賃貸共同住宅における建築基準に関する不適合について


柱問題

ホームページの内容を見れば、元々の受柱より太いH型鋼を用いているので、おそらく変更された柱でも強度的には大丈夫だろう。しかし、肝心の耐火面が問題だった。

建築基準法施行令では準耐火建築物の耐火時間は45分以上と定められているが、この変更では耐火のことまで考えられておらず、45分は持たないのだと考えられる。

対応としては、鉄骨に耐火被覆を塗布するか、それで足りなければその上からカバーを取り付ければ基準はクリアするだろう。対象75棟の補修額が1億円なのもそのためだ。

それにしてもこの柱、材料のメンバーアップになっているので結局原価は上がっている。

何とも不可解な話だ。


基礎問題

基礎については、独立基礎部分だけが申請図面と異なっており、布基礎とのレベルが取れているので、耐力面で大きな問題になるとは思えない。

第三者機関で安全を確認次第、確認申請をすれば終わるだろう。


これからの影響

ダイワハウスの一番の問題点は内部通報を軽視し、問題を放置したことにつきる。

内部通報は3年前のことなのに、なぜこの時期に発表されたのか。

問題発覚から会社はどのような動きをし、誰の指示・命令でここまで調査が遅れたのかを追及し、責任者にはきちんと責任を取らせることが、これからの、そして今後の不正防止となる。

ダイワハウスはこの件で信用をかなり落としたが、実際の補修費用はレオパレスに比べるとずっと小さい。おそらく10億円は超えないのではないか。

先週末からダイワハウスの株価が大きく下がっているが、レオパレスと同列に語る水準の問題ではない。

もう一押しすれば、それは絶好の買い場となるはずだ。


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<きょうのもーちゃん>
真面目にやってよね~

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