家庭裁判所の決定は絶対なのか? |
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・成年後見制度の落とし穴に気をつけろ!(1)
親が認知症を患ったとして、あなたが成年後見人等になると、認知症の親に代わって特別養護老人ホームの入所契約を行ったり、年金や資産の財産管理等、数々の管理業務を行うことが出来るようになることは前回述べた。
それでは、成年後見人等がいれば財産保全は万全かといえば、そうではない。現実には管理財産の勝手な処分や横領などが後を絶たないのだ。
そのような成年後見人等の不正を防止し、財産の保全を図るために法律では成年後見監督人が定められている。
成年後見監督人の職務
成年後見監督人は、後見人の事務を監督したり、後見人が不在の場合に財産を処分したり、後見人と被後見人の利害が相反する場合に被後見人側を代理することが出来る。
成年後見監督人は、あくまで事務の監督であり、後見人が管理している財産の使い方の指導や財産のチェックするが、前回述べた後見事務報告書・財産目録・収支状況報告書等を作成してくれる訳ではない。
成年後見監督人の選任
成年後見監督人は、通常、被後見人、その親族若しくは成年後見人の請求によって選任されるのだが、それだけではなく家庭裁判所も職権で選任することが出来る。
実は、ここに落とし穴がある。
成年後見監督人の問題点
あなたが成年後見人等になって認知症の親の介護をし、親の財産の勝手な処分も横領もせず、真面目に真摯に後見人等の活動をしていても、その親が一定以上の財産を持っていれば、家庭裁判所は職権で弁護士や司法書士等の成年後見監督人をつけるのだ。
これはあなたも誰も望んでいなくても、家庭裁判所の権限ひとつでつけられてしまう。
あなたはこの成年後見監督人を拒否することも解任することも出来ないし、成年後見監督人には親が死ぬまで報酬を支払い続けなければならないのだ。
成年後見監督人への報酬額の目安は
- 資産1000万円以下で、月額2万円
- 資産1000万円~5000万円で、月額3~4万円
- 資産5000万円以上で、月額5~6万円
72万円といえば、国民年金の1年分にほぼ匹敵するほどの額だ。
国は「成年後見制度の利用の促進に関する法律」を制定して、国民に成年後見制度の利用を促す政策を推進している。
しかしこの成年後見制度、よほど慎重に検討しないと、成年後見監督人にお金の使い道を指導監督され、報酬を持っていかれるだけのリスクがあることは、充分に認識しておこう。
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