2019年4月4日木曜日

退職の要件と退職代行サービスについて考える

退職代行サービスを運営している会社社長のツイッターで、自社の社員が、他社の退職代行サービスを使って退職した。という書き込みがあった。
退職届を書くのは気が重い

なんだかマンガのようなお話なのだが、社長本人が書いているので事実なのだろう。

もっとも4月1日に入社予定の新人が、3月31日付で退職願を書いているので、正確に言えば内定の辞退とも言えるのだが、退職ビジネスもここに極まった感がある。

だいきちの場合は、会社が募集する早期退職に応募したのでそれほどゴタゴタは起こらなかったが、そうでない場合の退職について、あらためておさらいしておきたい。


退職するための要件

ますは退職の規定についてみていこう。

退職の規定は民法で定められており、期間の定めのない場合と、1年を超える雇用契約の場合は労働者の意思による退職が原則として可能だ。

期間の定めが無いか、1年を超える期間の雇用契約の場合の退職申し入れ期間

期間の定めのない場合や1年を超える期間の雇用契約の場合、退職申し入れに必要な期間は下記の通りとなる。

日給の場合:2週間前までに申し入れる。(民法627条1項)

月給の場合:2週間前までだが、その月の前半までに申し入れる。(民法627条2項)

年棒の場合:3か月前までに申し入れる。(民法627条3項)

期間の定めのある雇用契約の場合

やむを得ない事由がなければ原則として契約解除はできない。(民法628条) 

このやむを得ない事由が会社側の過失であれば会社から損害賠償を得ることが出来るが、自らの過失だった場合は損害賠償の責めを負うことになる。

短期バイト等を途中で辞める場合に会社側から損害賠償を要求されるケースがあるのは、この条文が根拠となっているので要注意だ。


退職問題が起こる原因

退職についてゴタゴタが起きるのは、現在の民法の規定が任意規定なのか強行規定なのかあいまいな点による。

退職の意思表示ひとつをとっても、会社の就業規則や個別契約が優先するのか、民法が優先するのかがあいまいなのだ。

だいきちも含め、多数説では民法の規定に従う(すなわち強行規定)べきだと考えているのだが、現実的には就業規則や個別契約の内容が優先している状況だ。

使用者(企業)は就業規則等が上位と考え、労働者は民法が上位と考えるのだから退職時などで揉めないはずはない。


退職代行サービスは万能か?

基本的に退職する場合は円満退職が望ましいが、上司が取り合わないなど、どうしてもダメな場合には退職代行サービスを利用するのも手だ。

ただし、弁護士と提携していない退職代行サービスはあなたの意思を会社に伝えることしか出来ないので

  • 残業代の不払いがある。
  • 有給休暇を認めるよう交渉してほしい。
  • 損害賠償等不当な要求を受けている。 

など、会社との交渉や訴訟等に発展するおそれのある事例については、弁護士や弁護士と提携している退職代行サービスに依頼しよう。


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<きょうのだいにゃん>
だいきちさんは出社して頂かなくて結構です・・

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