今回も日頃接することが少ないイスラム文化のお話。
いろいろなノウハウがありますね~ |
おそらく皆さんもご存知だろうが、イスラム教には「ラマダン」という断食月がある。
断食というと1日中絶食するイメージがあるが、そうではない。
断食するのは日の出から日没まで。ただし、イスラム教徒はこの間は食べ物どころか水さえ口にしないのだ。
そのため、ラマダン期間中にイスラム教徒に残業させることは厳禁で、みんな早く家に帰りたがる。
日のあるうちに料理を作り、日没と同時に食べるためだ。
同じく、イスラム圏のレストランではラマダン月のディナータイムになると、日没と同時にイスラム教徒の皆さんが一斉に夕食を食べ始める光景がどこでも観られる。特に大食堂ならこれはなかなか壮観だ。
だいきちが海外で仕事をしていた時、部下のサムくんに、
「なあ、サム、断食するのは分かるけど、この暑い中(いつも暑いけど・・)せめて水分を取ったほうが体に良いのでは?」と話したことがある。
するとサムくんは一言。
「ボス、心配してくれてありがとう。でも我々は子供の頃から断食に慣れているから大丈夫。」
そこでだいきちは疑問が沸いた。
いったいイスラム教徒は子供たちにどうやって断食を教えこむのだろうか?
サムくんいわく
「赤ちゃんはもちろん断食しなくていい。小さな子供たちは断食はしなくていいんだ。断食はだいたい、小学校に入学するぐらいの年になると始めるのさ。」
「もちろん、最初からラマダン期間中ずっと断食する訳じゃない。最初は1日。それが出来たらお菓子や飴玉などのご褒美を与えるんだ。次は3日、次は5日、次は10日とだんだんと期間を長くして、それが達成出来るたびにご褒美を与えるのさ。こうやって子供たちは断食に慣れていくんだよ。」
「もちろんご褒美も、断食期間が長くなるにつれて段々とグレードアップさせていくのさ、ボクの息子は今度1か月間の断食に挑戦するんだけど、ウルトラマンのオモチャをご褒美にねだられて困ってるよ。」
古典的なモチベーション理論を地で行く手法。
報酬こそがモチベーションの源泉だということが、ラマダンで実証されているような気がするだいきちだった・・。
※内容については、だいきちが海外勤務時代に部下のサムくん(イスラム教徒)から聞き書きしたもの。だいきちの英語力には少々怪しい点があるので、明らかな間違いがあればご指摘をお願いします。
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2 件のコメント:
自分は小食なので、日本なら1日1食でも多分大丈夫だと思いますが、暑い中東で水を一滴も飲めないのはキツイかな。
でも、子供に強権的に躾けるのでなく、アメで釣る方法に少しほっこりしました。
多様な文化は長く続いて欲しいモノです。
実は、だいきちさんもトライしないかい? と誘われたのですが、やはり、水が飲めないのは健康に悪いと思い断念しました。
先日、TVで野村萬斎さんが子供の頃の話として、最初はオモチャか何かのご褒美でつられ、それから稽古をするように仕向けられていったと語っていました。
アメで釣る方法は、世界的に普遍性があるのかも知れませんね。
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