航海とは決して後悔しないこと・・ |
新型コロナウイルスの集団感染が発生したダイヤモンドプリンセス号。
運航会社は旅行代金およびクルーズ前後の航空費やホテル宿泊費、送迎料金、オプションの寄港地での観光ツアーなどを含め、今回の旅行で乗客が支払った全ての代金を全額を払い戻すという。
それに加えて検疫下に置かれた待機期間中の費用も請求しない方針だ。
運航会社凄い! クルーズ船で病気になっても全額払い戻しになるんだ! と思ったあなたはちょっと甘い。
今回の運行会社の対応は異例中の異例なのだ。
クルーズ船等の船舶に乗る場合、運航会社と乗客の間には約款という条項が存在する。
約款とは企業が不特定多数の利用者との契約を定型的に処理するためにあらかじめ作成された契約条項のこと。
鉄道や航空機、船舶を利用する場合などには広く用いられている。
ダイヤモンドプリンセス号の運行会社であるカーニバル社の約款を見ると。
第2条の乗客の義務として、「本約款の内容を理解すること。」とある。
約款はA4で14ページだ。
クルーズ申込の際に、おそらくサインをさせられるのだろうが、
乗客は約款の内容を「知らなかった」、「読んでません」、「説明がなかった」とは言えないのだ。
もしあなたがクルーズ船に乗るならば、約款のすべての条項を頭に叩き込んでおくべきだ。
では船内で、病気になったらどうなるのか。
約款の第4条では、
「疾病が原因で本船内またはその他の場所にとどまることを要求されたときは、乗客および乗客の同伴者についての食事・輸送・宿泊・医療および帰還費用を含むすべてのコストを運送人に支払い又は補償しなくてはならない。」とある。
病気等で費用が発生した場合、そのコストはすべて乗客の負担となるのだ。
また第12条では
「航海により種々の港に寄港する性質上、医療機関の利用の制限、遅延、緊急医療援助を受けることが出来ないリスクがある。」とある。
当たり前だが洋上で急患が出た場合。救急車を呼ぶわけにはいかない。
陸上なら対応可能なことでも、航海上では命取りとなるリスクがあるのだ。
クルーズ船に乗るときは、遺書の準備が必要だとは言わないが、一応覚悟はしておこう。
約款をしっかり読んで、手厚い保険に入っておくことが大切だ。
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