診察室の机の上に置いてあるコンピューターのモニターに、先ほどのポリープの写真が映し出されている。
アニメのムーミンに出てくるニョロニョロのような形をしているのだが、色はやや黒っぽく、木星の表面のような縞模様がうっすらと見える。
病院ならどこにでもある黒い丸椅子にだいきちが腰を降ろすと同時に、先生の説明が始まった。
緊張のひととき・・ |
「だいきちさんのS字結腸のちょうどくびれた部分にポリープが見つかりましたので、切除しました。まあ、おそらく良性だとは思いますが、直径は10ミリですので10%程度の確率でガン化している可能性があります。」
確率が低いとはいえ10分の1。
それにさすがに「ガン」という単語が出てくると、あまり気分の良いものではない。
「ポリープやガンが粘膜だけにとどまる場合には、病変を切除することでほぼ完治しますが、生検で、ガンが粘膜下層まで深く入り込んでいることがわかった場合は、リンパ節への転移が10%ほどの確率で考えられますので、トータルでは1%の確率でリンパ節の除去手術を行うことになります。」
そんなことになったら洒落にならないし、アーリーリタイアメントどころではない。
幸いだいきちの場合、その後、良性のポリープと確認された。
しかし、ガンは2人に1人が罹る時代。
ガンとはもはや病気というよりも、老化現象の一種なのではないかとさえ思う。
あなたが早期退職を考えるならば、万が一のことを考えて、ガン保険等には必ず加入しておくことをおススメする。
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